ハンバーグ専門店が、
肉にこだわらない
わけがない。
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メニュー篇
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メニュー篇2018.3
ハンバーグ専門店が、
肉にこだわらない
わけがない。
びっくりドンキーのハンバーグは、ビーフとポークの合い挽き肉。つまりビーフは、私たちのお店に欠かすことのできないメイン食材のひとつです。
安全・安心な食材の使用を目指す私たちは「ナチュラルビーフ」への取り組みを1998年に開始して、2001年からはハンバーグ用のビーフにナチュラルビーフの使用を始めました。また、このナチュラルビーフだけを味わうことができるメニューに「コロコロステーキ」があります。
さて、このナチュラルビーフとはいったいどのようなビーフなのでしょう?基準は大きく2点。「牛本来の餌である牧草を中心にした放牧飼育であること」。そして「成長ホルモン剤を使用していないこと」。これらを守って生産されるビーフのことです。
牛は草食動物。つまり本来「草」を食べる動物です。ですが現在、一般的に流通しているビーフは霜降りに代表される脂のおいしさを出すため、トウモロコシなど高カロリーの穀物飼料を与えられて育ったビーフが少なくありません。一方、ナチュラルビーフは赤身肉のおいしさを出すため、ライグラスやクローバーを中心とした牧草、干草、サイレージ(牧草などを発酵させた家畜用飼料)等による放牧飼育です。
また、短期間に体重を増やす「成長ホルモン剤」を使わないのも、飼育の効率よりも牛本来の自然な成長を大切に考えているから。
そんなナチュラルビーフの産地は、ニュージーランドとオーストラリア。牛たちは広大な自然の中に放牧され、自由に動き回る「牛本来の姿」で育てられています。
「草」で育てると、
ビーフはどうなる?
「草」を食べさせ、できるだけ自然な育て方をしたナチュラルビーフは、穀物飼料を与えられたビーフに比べ脂(いわゆる「サシ」)が入りにくく、赤身肉であることが特徴です。では、そのほかにどのような違いがあるのでしょう。
私たちの調査でわかったのは、ナチュラルビーフは「脂肪酸のバランスがよい」ということ。脂肪は体に悪いと思われがちですが、炭水化物やタンパク質と並び人体には欠かせない成分です。この脂肪を構成する必須脂肪酸という成分があるのですが、そのバランスがナチュラルビーフは理想的な割合であることがわかったのです。具体的には、エゴマ油などに含まれる「α-リノレン酸」という脂肪酸が多いという特徴がみられました(自社調べ)。
このように「牛たちが何を食べて育っているか」が、ビーフに様々な影響を与えることがわかってきました。それはつまり、ナチュラルビーフの牛たちが食べる「草」の品質が非常に重要であることを意味します。実際、ニュージーランドやオーストラリアにいるナチュラルビーフの生産者さんにお話をうかがうと「私たちは牛に食べさせる『牧草』を育てるのが仕事」だとおっしゃいます。
元々草食動物である牛に「草」を食べさせて育てることは、簡単のようにも思えます。ですが、ナチュラルビーフを健やかに育てるためには、適切に育てられた「草」を与え、牛がストレスなく理想の成長曲線にそって育つようにする技術が必要です。
こういった背景から、びっくりドンキーのチェーン本部である(株)アレフでは、牧草地での放牧で家畜を育てる「草地農業」の研究を自分たちで行っています。家畜たちに適した「草」とはどのようなものなのか。理想的な「草」はどうすれば育つのか。お店で提供するメニューの食材はもちろん、その食材を育む源まで、私たちの探求は続いています。
私たちは、ニュージーランドやオーストラリアの生産者と同じように「牧草で家畜を育てる」試験研究を、2004年から行っています。
北海道恵庭市にある自社施設「えこりん村」では、牛ではなく歴史的に北海道と馴染み深い羊を飼育しています。というのも、牛と羊は胃が4つあるなど消化器官の構造などが似ており、牧草を食べさせて育てるという共通点があるからです。実際、ニュージーランドでは牛と羊が同じ牧場の中で飼われているんですよ。
私たちの調査の結果、適切に管理された牧草は牛や羊にとって穀物以上の栄養を摂取できるエサであるということ、畜舎の中に閉じ込めておくのでなく放牧を行うことで病気にかかるリスクが減り健康に家畜を育てられることがわかってきました。私たち自身の経験から得られたこれらの知見は、ニュージーランドのナチュラルビーフ生産者との対話に役立てられています。
ニュージーランドの生産者、加工業者、そしてびっくりドンキーとの信頼関係で創りあげられたナチュラルビーフ。ニュージーランドの広い牧草地を想像しながら、その味わいをぜひお確かめください。