





通常、びっくりドンキーで
使用しているコーヒーは「手摘み」で
収穫されていることが多い。
理由は2つ。ひとつは、果実の熟度を人の目で確かめながら収穫できるため。コーヒーの品質を左右する重要なポイントである。
もうひとつは、標高が高い山の斜面で栽培することが多く、そもそも収穫用の機械を入れることが難しいためだ。
だが、この産地は違った。ブラジルのカルモ・デ・ミナスにあるコーヒー農園、イルマスペレイラ。標高は1,000m程度と、他の中南米の産地に比べると低標高の地域だ。なだらかな傾斜の農地が多く、機械収穫が可能である。
機械がコーヒーの木を揺すり、熟した果実だけを振り落とす。
農園を訪れた自社焙煎工場の工場長・田中は驚いた。機械収穫でこの高品質なのかと。誤解を恐れずに言えば「下手な手摘みよりもずっといい」。
機械自体の進歩もあろう。だがそれに加えて機械の絶妙な調整が「狙った熟度の果実だけを収穫する」ことを可能にしていた。
それは、機械を使っていながらも、確かに職人技だった。
もちろん、機械収穫はコストダウンにも貢献する。そのぶん、同じ価格でより品質の高いコーヒーを提供することにもつながる。

